残業代を取り返せ〜その5〜その後

働き方

 12月、私の手元には無事に残業代が振り込まれました。6月末には2回目の振り込みも済みました。それを元手として起業し、生活は一変しました。起業に関してはまた別記事を作成します。ここでいくつかまとめておきます。

入社時にブラックかどうかを見極めることは非常に困難

 求人情報を常に出していたり、「アットホームな」などのキーワードが求人広告にあると、ブラック認定されることがあるようです。しかし、これは極めて微妙です。そんな単純な問題ではありません。タチが悪いのは「入社してみないとわからないブラック企業」です。私も含め、多くの人が求人広告からブラック判定をすることは不可能だと思った方が良さそうです。

「やばい」と思ったらすぐ逃げる

 倫理観も責任感も一切気にすることはありません。退職代行を利用しても構いません。できるだけはやくそこから逃げ出しましょう。きっと色々事情もあるだろうし、色々言われることを恐れている気持ちもあるでしょう。しかし、あなたが思っているほど会社はあなたを思っていません。あなたが会社を思っていても、会社はあなたを思っていません。完全に一方的な片思いです。始まった瞬間からその恋は終わっているのです。「仕事は志事」「人材は人財」「企業は輝業」とか完全にアウトです。それを聞いて「やばい」と思えないのであればあなたはそうとう「やばい」です。「仕事」は、まず「お金を稼ぐこと」が1番大切です。そのずっっっっっと後に「やりがい」があるのです。

足を引っ張りあっている会社は逃げる

 言い方によって変わります。「貴重な指摘」「厳しくとも有益なアドバイス」などなど。しかし、これはすべてブラック企業の搾取作戦です。結局、助け合うことなく批判しあって足を引っ張りあっているだけなのです。一刻も早く逃げましょう。

「代表取締役に怒られないことが目的」になっていたら逃げる

 会社の目的は利益を上げることです。代表取締役のご機嫌を取ることではありません。もしも、代表取締役のご機嫌を取らないと給料が出ないのであれば、その代表は経営者として無能です。その人にも優れた点はたくさんあるでしょう。しかし、経営者としては、代表取締役としては、無能です。逃げましょう。

タイムカードは記録しておく

 弁護士経由で請求すれば、原則開示してくれます。しかし、相手はタチの悪いブラック企業。どんな手段を使ってくるかわかりません。勤務記録はきちんと残しましょう。物理的なタイムカードでなくとも、写真、メモなど、何でも構いません。きちんと継続的に記録を残しましょう。タイムカードを押した後に残業させられていませんか?それも必ずメモとして残しましょう。

「眠れない」が目安

 人は「まだまだやれる」と思ってしまうもの。きっとあなたもそうなのでしょう。私もそうでした。あの環境で15年も働いた自分にびっくりしています。そんな意識では正確な判断ができません。しかし、ある基準があります。「自然に眠ることができない」です。これができなくなったら辞めましょう。これをなんとかしようとしてもいい方法はありません。私は眠るために

  • アルコール
  • 市販の睡眠導入剤
  • かかりつけ医での睡眠薬
  • 個人輸入の睡眠薬

まで手を出してしまいました。確かに少し眠れるようになり、少し働けるようになるのです。しかし、そうまでして働いてもいいことはありません。今でもたまに訪れる「不眠おばけ」に悩まされています。眠れないのであれば辞めましょう。

スキルが必要

 それでも生きていくために働かなくてはいけません。そのためには何かしらのスキルが必要です。幸いにも私はこの業界で生きていくスキルを身につけることができました。それを使って独立・起業をしました。どうしても、どうしてもそれができない場合、以下のような方法も無くは無いです。

ブラック企業を2年で辞めて残業代が失効する前に請求し続ける

 残業代には時効があります。それはたったの2年です。しかし、世の中の中小企業の多くは残業代が出ません。それならば、きちんと記録を残し、「2年で退社し請求・・・2年で退社し請求・・・2年で退社し請求・・・2年で退・・・」という無限ループもありかもしれません。もちろんお勧めのプランではありません。年齢とともに体力は低下するし、雇ってくれる企業があるかどうかわかりません。しかし、最悪、最悪一つのブラック企業で長期間働くくらいなら、2年でブラック企業を転職して残業代請求を繰り返す方がまだマシかもしれません。。。

それでも自分に責任がある

 私は地方出身者です。奨学金とアルバイトで生活費を稼ぎ、大学卒業とともにこの業界に就職しました。特に業界を研究・比較したわけでもなく、なんとなく選んでしまいました。ここから私のブラック人生は始まっていたのかもしれません。今から思うと、多くの同期はきちんと就職活動をし、業界の研究をしていました。私はそんな彼らを見て笑っていたのだと思います。

 もしもこのブログを若い人が読んでいるのであれば、声を大にして言いたい。

まずは誰かの引いたレールに乗りましょう

 私もあなたも、自分でレールを引く能力はありません。多くの人のやっているように就職活動を真面目にしましょう。そして可能であれば、大手企業や公務員を目指しましょう。自分でレールを引くのはもう少し後の方が良さそうです。


 このブラック企業を「C社」としていますが、これは私が新卒から転職して3つ目の会社だからです。「A社→B社→C社→D社→独立・起業」という順番です。D社からの誘いがなければ、あの泥沼から抜け出すことはできなかったでしょう。そんなD社は「辞めて独立したい」と言った時に、「応援している」と励ましてくれました。D社には大変感謝しています。ありがとうございます。

 今私は、ある程度の時間的自由と経済的自由があります。しかし、失ってしまってからどうしても取り返すことのできないものがあります。それは「時間」です。30代をブラック企業に費やしてしまった人生を、大きく悔やんでいます。C社で得たものがなかったわけではありません。しかし、C社でしか得ることのできないものが果たしてあったでしょうか。ひょっとしたらあったかもしれません。しかし、他の会社にいたらもっと素晴らしいものを得ていたような気がしてならないのです。

 このブログは、おそらく日本から消えることのないブラック企業で働く人たちに向けて書きました。

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