戦おう
退職したのは3月、戦おうと決めたのは6月上旬でした。あとは行動するだけです。早速、ネットで検索してみました。共に戦うパートナーを探して。
「退職金 弁護士 自分の住所」で検索すると、たくさんの弁護士事務所にヒットしました。多くのサイトを見て気がつきました。そこで気がついたことがあります。
お医者さんにも「内科」「眼科」「整形外科」があるように、弁護士にも専門があるようです。「退職金請求実績あり!」「退職時のトラブル専門です」や、「交通事故実績多数」「相続トラブルお任せください」と言ったような文言をたくさん確認できました。
また、弁護士報酬にも大きく分けて2種類ありました。
例えば
- 「着手金があって、成功報酬が少ない」とは着手金10万+成功報酬10%
- 「着手金0で、成功報酬が高い」とは着手金0円+成功報酬20%
などです。もしも、相手から取った金額が200万円だとしましょう。
すると
1の場合
着手金10万円+200万円×10%=10万円+20万円=30万円が弁護士に払う費用になります。
2の場合
着手金0円+200万円×10%=0円+20万円=20万円が弁護士に払う費用になります。
どちらがいいかはケースバイケースだと思います。多くの弁護士サイトを見て、自分の基準を決めました。
- ある程度若い弁護士が担当してくれる
- 退職トラブルの経験が豊富
- 着手金0円で成功報酬の割合が高い
この3つを自分の基準として探しました。
1に関してですが、「弁護士 トラブル」で検索してみると、「おじいちゃん弁護士が上から目線で嫌だった」という個人ブログがいくつか確認できました。「士業あるある」ですね。退職金は弁護士のものではありません。私のものです。自分の納得できるやり方で戦いたい。もちろん専門家の意見を蔑ろにしてはいけません。しかし、それでもクライアントのニーズを聞き入れない士業なのであれば、早めにAIと変わっていただきたいのです。
2.やはりここは経験を信じることにしました。お腹が痛い時に眼科にはいきません。
3.着手金0円の場合、失敗したら弁護士に利益は出ません。成功報酬のみということはそれだけ自信があるという証だと思います。少々成功報酬が高くても、着手金0円という志を信じたいと思いました。ここは私がもっとも重要視したポイントです。
以上3つの条件を満たしている事務所数件に電話をし、ある1つの弁護士事務所に予約を入れました。その時、私はいやな匂いのする汗をベッタリとかいていました。はじめて訪れる弁護士事務所、15年も働いてきた会社での思い出・・・いろいろな感情が体を駆け巡っていました。
約束の日、そのビルに入って事務所のある階までエレベーターで向かいました。目の前の扉には「〇〇法律事務所」の看板がありました。事務所に入る前、私はトイレに入り用を足しました。それはとてもとても長いおしっこでした。背中にホースがくっついているんじゃないかと思うほど、長いおしっこでした。
その時、髭を生やした若い男性がトイレに入ってきました。2つほど隣の便器で用を足し、すぐに終わってさっと出て行きました。なぜか理由はわかりませんが、私にはその時「この勝負勝ったな」と思いました。絶対にC社から、あっさりと金を取れるという確信を持ちました。
事務所の入り口には鍵がかかっていて、インターホンを押して鍵をあけてもらい中に入りました。ついにここに来てしまいました。15年ですよ。15年。生まれた子供はもう中学校卒業します。そんな長い間働いていた会社を訴えようとしている。口が乾き、汗が出てくるのがわかりました。
ガチャっと扉が開いて入ってきた人の顔には、やっぱり髭がありました。トイレで隣になった人でした。彼からは特にその件は触れられませんでした。
弁護士に相談して衝撃を受けました・・・
衝撃その1 退職金は企業の義務ではない
きちんと社内規定で決まっていないのであれば、会社は退職金を払う義務はないそうです。「何か規約みたいなものはありましたか?」と聞かれましたが、「見たことありません。入社時も説明はありませんでした。」と答えました。「となると、退職金は難しいです。」というお言葉でした。
衝撃その2 ボーナスのキャッシュバックはグレー(つまり黒とは言い難い)
もっとも衝撃だったのはこれです。完全に違法だと思っていましたが、「もしもそういう規約があればセーフ」とのことです。いまなら分かることですが、きちんと税務署に申告してC社が法人税を収めていれば、ということでしょう。「そういう規約なんだよ」と代表が言ったらもうそれまでです。しかし、ここで救いの一手↓がありました。
衝撃その3 残業代請求に変えた方がいい&残業代には時効がある
残業代は過去2年分しか請求ができないそうです。どこから遡って2年なのかというと、弁護士が請求を出した日だそうです。つまり、ここで悩んでいたら残業代がどんどん消えていくことになります。15年ずっとではありませんが、退職前の数年間分のタイムカードをスマフォで撮り、ever noteに保存していました。それをプリントして持参していきました。「これがあれば絶対いけます!残業代請求をぜひうちに任せていただけませんか?」と、髭の彼に言われました。
もう任せるしかないと思い、「お願いします」と行って、書類に印鑑を押しました。正式な契約です。おそらくこの時が1番汗をかいていたと思います。それと同時に、サッと片付くような、妙な自信もありました。
これを読んでいる社畜の皆さん、いいですか?よく聞いてください。
残業代には時効があります。それは2年です。
もう一度言います。
残業代には時効があります。それは2年です。
はやく弁護士事務所に行ってください。あなたはあなたのためだけに動けばいいんです。
ためらっていてはいけません。必ず後悔します。「世話になったから」というような理由で残業代請求をやめてはいけません。あなたの人生ですよ?あなたが戦わなくて誰が戦うんですか?お金も問題ですけど、お金の問題じゃないんです。人生を軽く扱われていていいんですか?
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